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2017-11

後悔 ②  - 2009.09.30 Wed

それは突然だった。

その数日後、午後6時過ぎ、また電話が鳴った。

「先生~、ぜったいわかりませんよ~!家どこですか~?」

そうかそうか、とりあえず先日の生徒から連絡があったのでほっとして、詳しく説明する。

「ちょっとわからないんで、すいませんが、ここまで出てきてもらえませんかね~」

間違いない。この厚かましさ、さすが私の生徒を名乗るだけはある。いい教育を受けている。

しかし、それに負けては彼らの教師とは言えないだろう。

「ゼッタイわかる!まあ、来てみな」

そして、彼らは着いた。
27歳の男女。

「こんなところに家があるんですか、こりゃ、わかりませんよ~」

二人を家に案内し、お茶を出しながら話を聞く。

どうも、私が受け持った学年より1つ上の学年らしい。
名前を知らなかったわけだ。

「で、先生、どうして先生を辞めたんですか?」
「辞めるきっかけってあったんですか?」
「農業はいつからやろうと思ったんですか?」

なかなか本題に入らないが、質問に答えてあげる。
で、私も二人にたずねる。

「で、用件は?」


ついに核心が明らかになった。
二人は、1枚の紙切れをすっとテーブルの上に出した。

そこには
「罪咎は3代前の・・・」とか、なんかわけのわからない呪文が書かれてあった。

「先生は、ご先祖様をちゃんと供養していますか?」

はぁ?????

「先生、最近、悩みとか不幸とかないですか?」

はぁ?????

結局話をまとめると、不幸な出来事と言うのは3代前からの先祖が苦しんでいるので、「霊友会」とやらのメンバーになるか、1020円のなんとけを買って、それに向かって拝んで、先祖供養をすれば幸せになれる、ということらしい。

いっしょに来た女の子が特に熱心で、自分も不幸だったが、これで改善してきている。
先生が1020円のなんとけを買ってくれれば、私もそれによって幸せになれる。とのことだった。


たった1020円で幸せになって、ご先祖もよろこんで、彼女もハッピー、いいことばかり!これは安いんじゃないのか?買いかじゃないか?宝くじだって当たる確率がふえるんじゃないだろうか?
と、一瞬迷ったが、すぐに冷静になって考えた。


ここで議論してもどうしようもないし、自分の宗教観や人生観を話しても今は彼らの頭にすっと入っていくことは難しいだろうと思う。
結局、しらとり真理教の教祖としては、この1020円も、メンバーズシップにも入ることはしなかったのだが、今にして思えば、彼女たちが少しでも気持ちが楽になるのならば、と1020円のなんとけを買ってもよかったかなとも思う。


私が買わないので、彼女たちはがっかりしていたが、帰りにおみやげにニンニクやら、卵や野菜やらを持たせてあげた。
少しは喜んでくれたので私はほっとした。
台所から、あまりに軽薄な私との会話を聞いていた潤子さまは、夕食をいっしょに食べていってもらえばよかったね、と言っていたが、そうすればよかったなあと私も思った。

帰り際にまた遊びに来ます、と言ってくれたが、本当にまた来てほしい。





























でもね、約束は午後3時って言ったじゃない、そこは守ってよね!!



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プロフィール

白取 克之

Author:白取 克之
青森県の岩木山麓で無農薬・無化学肥料・半不耕起・草生・マルチ不使用で自然農を基本に在来種、固定種の野菜だけを育てています。

農法を簡単に説明しますと基本的な考えは自然農を心がけています。
ただ、植え付けの前に可能な限りごく浅く土の表面を均すためだけに耕起しています(深くても10センチ以内になるように)。それを半不耕起と言っています。
これは、当農場は開墾当時山であったため、山の小さな野ねずみも多く棲んでいて、冬の雪の下で縦横無尽に畑の土を掘り起こし、春雪が解けたあとは畝の形もわからないくらいものすごいデコボコと穴だらけになるところから生まれたやり方です。
本来の自然農では、草の積み重ねが年を越えて積み重なって行きますが、この場所では
一夏の間に土の表面に蓄積したたくさんの草や野菜の残渣などすべてこの雪の下で野ネズミによって細かく粉砕されてリセットされてしまうため、結果的にこの方法がこの場所にとっては思いのほかとてもよいものになっていると感じます。


私たち夫婦は2003年に木や灌木の生い茂る原野に入植し、森の開墾からスタート、沢に橋をかけ、道を作り、湧き水から水を引き、家を建て、丸1年の非電化生活を経て・・・と一からやってきました。

栽培作物は小麦、大豆、小豆、ニンニクなどの畑作物から30品目ほどの野菜、水稲も少し。
F1品種を使わず、すべて固定種、在来種の野菜というのが大きな特徴です。
自家採種率は果菜類でほぼ100%、全体でも60%以上。

収穫した野菜はセット野菜として会員さんに毎週お届けしております。

ニワトリは無農薬のお米と、うちの野菜くずに、草など、農薬や遺伝子組み換えなどとは完全に無縁なエサで育てています。

また、ここは縄文の「湯の沢遺跡」上にあり、縄文人たちの息吹が今でも感じられます。この話はまた長くなるので・・・。


また、就農のためのノウハウなど、農業研修生も受け入れております。
あるいは自然の中で岩木山の大地からエネルギーをもらい1年ゆっくりと自分を見つめる場としてもおすすめです。
自給のための作物の育て方、小屋の建て方、自給生活のノウハウ、一からの開墾の方法なども学べます
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

ちなみに趣味はクラシック音楽を聴くこと、チェロを弾くことで、ドヴォルジャークやスメタナといったチェコの国民学派が好きです。もちろんチェコビールも大好き!


<連絡先>
0172-93-2523
higashiiwakisan428*cronos.ocn.ne.jp(*を@に変えて送信してください)
お気軽にどうぞ~。

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